2009年02月17日

語彙項目の意味素性論とプロトタイプ論について

後期の授業で履修した科目である「心理言語学」のレポートをブログに掲載します。

意味素性論を概説せよ
意味素性とは、語の意味を構成している独立的な意味単位のことである。boyとgirlで具体例を挙げると

(1)
boy: [+animate], [+human], [+young], [+male]
girl: [+animate], [+human], [+young], [-male]

boyとgirlは、生きており(+animate)、人間であり(+human)そして若い[+young]。しかし、boyが男[+male]であるのに対し、girlは男でない[-male]。このように、意味素性論は語の意味は独立した意味単位(意味素性)が集束し、成り立っていると考える。

意味素性論の限界を指摘せよ
しかし、この考え方には限界がある。ヴィトゲンシュタインは、”game”を例にして定義的素性(ある概念に所属する全ての語彙項目が共通的に持つ素性)の不確定性を指摘している。というのは、card game, ball game, board-game, Olympic-gameは全てgameという概念に含まれているにも関わらず、それぞれの語に共通項がない。
また、parentsとchildの関係を考えてみると、こちらにはparentが上でchildが下という立場の差が考えられる。しかし、意味素性論では方向性の概念が考慮に入っていないために、必要な素性の概念の数が足りていない。このように、意味素性論で語彙項目の意味を説明しようとすると、限界にぶち当たる。

意味素性論の限界を踏まえてプロトタイプ理論を説明せよ
プロトタイプとは、「ある集合の成員の典型例」のことである。たとえば、日本語において鳥という概念のプロトタイプは「スズメ」である。スズメは翼があり、飛ぶことが出来、小さい・・・などといった鳥の持つ意味素性を典型的に満たしている。この概念を利用することにより、ある概念を典型的に満たすもの(プロトタイプ)と、典型的に満たさないがその成員に含まれる周辺的なもの(鳥を例に挙げるならばペンギンやダチョウ)を階層的に説明することが出来るようになり、意味素性論の問題は解消される。
posted by ブラック・マジシャン at 00:24| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強・学問 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。