2009年03月29日

『こども輝け、命 4年1組ハッピークラス』を見て

2月の集中講義であった小学校英語教育演習のレポートをブログに掲載します。

『こども輝け、命 4年1組ハッピークラス』を見て最初に感じたことは、自分にもこういう時代があったのだなあということでした。金森先生の指導が行き届いているのか、元気いっぱいだけど学級崩壊を起こすようなこともなく、クラス一丸で頑張っている子どもたちの姿を見て、小学校の先生も楽しそうだなと感じました。

ビデオで印象が深かったパートの一つは、手紙ノートのやり取りの中での命についての授業でした。おばあちゃんが亡くなってしまって、そのことを手紙ノートに書き、クラスで命の大切さを考えているシーンがありましたが、クラスの子がその子に感化されてデザイナーだったお父さんがなくなった女の子が、この手紙ノートをきっかけにして心を開き、命について考えるための良い学びを与えていたと思います。10歳の子どもたちとは言え10年分生きてきてその中には様々な経験を持つ子どもたちが揃っていることを認識しました。

また、このパートにおける子どもの感受性の高さにも驚きました。まだ、真っ白な状態な部分が多いからでしょうか、身近にいた人が亡くなりもう二度と会うことが出来ないという事実が突きつけられたとき、子どもにとってその事実の大きさは非常に大きいのだと思います。

今の世の中、医療の発達などにより人間の寿命は非常に延びています。また、100円もあればコンビニで何かパンなどを買うことが出来るわけで餓死するということも、極端な状況でなければありません。だから、今の世の中命の大切さを知るというのは非常に難しくなってきていると思います。ある調査で、小学生の子どもの6割が死後生き返ることが出来ると答えたとのことで、世間がにぎわったことがありました。個人的には一緒に騒ぐどころか、「死んだ人間は蘇らない」ことや、「人生というのは1回限りである」ということをこれから学んでいくわけで、我々が教えていかなければならないことであると考えました。金森先生の実践はその具体例の一つだと思います。(そういえば、金森先生が「人生はたったの1回です」と何度か番組中に言っていたと思います。先生の大事にしたいことがよくわかる台詞だと思います)

もう一つ、印象に残ったことは生徒の一人がいかだ作り中におしゃべりをして、先生に叱られていたシーンです。先生はその子に、いかだに乗らないように言いましたが、それを受けて同じグループの子どもが先生に、「それはおかしい」と言い出したシーンがありました。紆余曲折が多少あったものの、先生はその生徒を許し最終的にはいかだに乗る活動を一緒にしていました。
後で、金森先生はその子のやったことは「大人でも難しいことをやった」と評していたのが印象的でした。子どもでも、仲間を思う気持ち、おかしいことをおかしいという力は確実にはぐくむことが出来るし、そういった少しの勇気がクラス全体に伝わるということがわかりました。子どもと言っても侮ってはいけないなと感じた次第です。

最後に一番印象的に残ったシーンは、クラスで互いの悪口を言い合うことがはやったことです。金森先生は事態を重く見ており、道徳の授業で人を軽蔑することはいけないと児童たちと考えていました。児童たちはそれに賛同したのですが、金森先生はそういう児童たちに「きれいごとが過ぎる。何故、自分には関係ないと考えるのか。」と叱咤しました。ここに金森先生の手腕の高さを見出しました。

人間は誰しもが、善の心と悪の心を持っています。また、軽蔑していなくたって利害もあるだろうし、個人的に相性が良い悪いもあると思います。だから毒づくことも大いにあります。その中で、「自分は悪口を言っていない」と言い張るのは、偽善であると指摘しているのだと思います。金森先生のメッセージは「自分の弱さと向き合いなさい」ということ。そして、自分がされて嫌なのに何故相手にそれをやるのか問いかけていたと思います。

金森先生は、叱咤する中で「お互いに軽蔑の心を持っていては、友達でも仲間でもない」と言い張っていました。大人の社会でも、互いに軽蔑する心があります。それは普段友達と言い合っている仲でさえもです。そうしたことはいけないと強く児童たちに訴えているところが良かったと思います。

この映像資料は2002年が舞台のようですが、その年からもはや7年経っているわけです。ということは、当時10歳だった児童たちは高校生にすでになっているわけです。この子どもたちが、どのような大人になっていくのかが楽しみに感じました。彼ら彼女らのその後を知るすべはありませんが、少なくとも、4年1組での経験が生きていることを願いたいと思います。
posted by ブラック・マジシャン at 03:02| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強・学問 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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