面接者は受験者に偏りがないか見ている
面接官の見ているポイントはいろいろあるのですが、個人の能力はもちろん「この人は組織で動ける人間なのかどうか」も見ています。実は、この集団で動くという観点が、下手をすると個人の能力よりも大きく面接の場では見られているのです。学校は組織で動く場所であり、管理職の指示に従い、ある事項をみんなで話し合い、そこで決めたことをみんなで守らなければならない「協議の場」でもあります。
協議をしてみんなで決めたことに基づいて全員でそろって動く場ですから、自己主張する際には「こういう考えもできますよ」という感じで意見を提示できる人なのかどうかを見ているということ。だから、面接を協議ではなく議論や戦いの場にしてはいけないということです。「私が、私が・・・」と言うように自己主張が強すぎたり、結果だけしか論じない発言しかしなかったりすると、この人は組織で動けない偏りがある人間であると判断され、面接ではじかれるということです。
これまでの自分は・・・
この点を今まで自分は勘違いしていたように思います。去年までの自分はとにかく「試験という名の競争に勝つ」ことだけしか頭にありませんでした。だから、必然的に個人の能力を伸ばすことしか考えず、そのことばかりをアピールしていました。
また、学問の世界にのめりこみすぎていたせいか、話し合い(議論)の場はこちらの正当性をいかに確保し、押し通すかを考える場としか考えていませんでした。
そのほかにも振り返ってみると、自分がやってきたのはすべて1対1の競技ばかりでした。中学・高校時代にやっていたスポーツは卓球でしたし、カードゲームも対戦相手と自分の戦いの場です。というわけで、自分には組織で動いた経験がほとんどなく、ソロ活動ばかりしていました。
それがためか、物事をカードゲームやスポーツのような1対1の「競技」または戦い型の「議論」という「偏った」観点ばかりでしか見ていませんでした。白黒はっきりした勝利条件があり、周りに関係なくそれを満たす。そのことしか頭にないものの見事に「偏った」人間だったと思います。
しかし、学校で求められているのは競技に勝てる人間でも効率よく正当性を主張できる人間でもなく、さまざまな人がいる組織の中でうまく立ち回れる人間であるかということです。組織内で求められることは周りの人間と協調し、組織の歯車になること。ですから、今までの自分のように組織内に1対1のスポーツのような争いの火種のようなものを持ち込むようだと蹴られるというわけです。
おそらく、通常の企業も同じことを考えていると思います。学生時代の間は同年代の限られた人間関係しか求められず、学問の世界も最終的には自分だけの世界になります。ですから学生の間では「組織で動く」という視点を持つことは難しく、それを持てなかった結果として「就職難」という憂き目にあってしまうのだと思います。
競技から協議へ
この点からみると、今までの自分は偏りだらけだったと思います。去年は、圧迫面接を恐れるあまり徹底的に問答を想定し、常に「付け入る隙は見せないぞ!」という心構えで受験していました。それが、最後の面接官に伝わってしまったのか3番目の面接官が結構きつい圧迫面接を行ってきました。(模擬授業でやったことを全否定する、こちらの発言に対してすべてNOと答えるなどなど)
結果として、最後の面接官とは反論し合いまくりの押し問答の状態になってしまいました。完全に委縮してしまうのもまずいのですが、これはこれで、こちらの発言がいかに正しいものだったとしても面接官の印象が悪いのは明白です。この点が去年の敗因だと思います。
このことを8月の二次試験直前に気付き、意識して試験に臨んだのですがやはり一朝一夕では身に付くものではありませんでした。目立った圧迫もなくうまく立ち回れた気でいましたが、結果はダメだったので、今後はこれらの点を意識してさらに磨きをかけるように行動しようと思います。
「学校は組織で動く協議の場」
今までの自分はなんだかんだと言って、戦うことしか考えていませんでした。しかし、学校にはいろいろな人がいるわけで、教育に対する考え方もそれに対する温度もそれぞれです。自分と少し違っているからといって、議論を吹っ掛けたりするとたちまち組織は崩れ去ります。今までの自分は、組織内では対立の火種になるものを抱えて学校という場に加わろうとしていたわけですから、落とされて当然でした。
私の好きなアニメの中で最近になって「フォア・ザ・チーム」という言葉が出てきましたが、その精神が今までの自分には欠けていたと思います。今後は個人の資質・能力はもちろんのこと、組織という場で動くということを念頭に入れて個人と全体という二つの側面から自分の力を磨き、組織で動く教師というものを具体化していこうと思います。
10月1日追記
成績開示を見に行ったら、順位が44位でした。補欠も含めた合格者の数が43名でしたので、あと一歩届かなかったということになります。
気付いた路線は合っているようですが、気づいただけではだめで磨きをかけなさいというお告げという風に思っておくことにします・・・。