4月23日日曜日にUpper Deck社主催の公認大会がありました。参加費用は15ドル。集合時間は午前10時、開始時刻は10時半~。1試合40分マッチ制です。エキストラデュエルあり。日本語のカードは使用不可のため、今回は出場していません。6回戦のスイスドロー方式。参加人数はおよそ52名です。

店が定刻より少し遅れて開きました。開いたら、すでにジャッジが控えていました。おのおの、デッキリスト持参(書式は自由)し、アッパーデックの登録証を提示します。
驚いたことに、無線LANでアッパーデック公式サイトにアクセスしてトラブルに対応できるようにしていました。対戦管理もすべてコンピューターで行っており、報告もコンピューターを通しているようです。

10時15分くらいから開会式が行われました。開会式では、主にルール変更などの説明がジャッジを通して行われます。今回の伝達事項は、「日本のルールに合わせてメモを取るのは不可能になった」「貪欲な壺を使用する際のカードのデッキの戻し方(底に入れるなら全部底に入れる、バラバラの位置に入れてはならない)」ということでした。

10時半開始です。試合で驚いたことは、電光掲示板に時間がちゃんと表示されていることです。その画像がこちら。

日本のカード店では、このような電光掲示板を見たことはありません。これで、プレイヤーはフェアに時間を計ることができます。ちなみに、海外では特に考察時間の制限はないそうです。(故意の遅延行為が行われた場合、ジャッジが注意する)サイドチェンジの制限時間が3分間だそうです。このあたりのルールは今度じっくり質問しようと思います。
日本の公認大会を開くようなカード店もこの手の電光掲示板は用意すべきだと思いました。特にゲーマーズやイエローサブマリンなどの大手カード店にはがんばってほしいところ。これがあれば、各人ストップウォッチを持ってくるなんてことはなくなりますよね。

デッキの傾向ですが、大まかに黄泉帝、暗黒界、アンデッドなどが見受けられました。しかしながら、エクゾディア・ネクロスを使ったデッキや、魔法使いデッキなどクリエイティブなデッキも見受けられました。みんな、思い思いのデッキで参加しているのが好印象でした。

昼休みの休憩時間はRound2が終わる12時25分から13時まで。その間はランチタイムで、ジャッジも他の人も食事を楽しんでいました。

その後、暇だったので私はネットカフェでブログの更新とメールチェックを行い、3時くらいに戻りました。

戻ったら、ファイナルラウンドが始まるところでした。せっかくなので、大会の模様を写真にとりたいと店長に頼んだら、快くOKしてくれました。全員の肖像権もあるので、大きな声で全員にブログに載せる事を言ったら、全員OKをくれました。その写真がこちら。

白人のみならず、アジア系やインド系、黒人もいてとても人種が豊かなのがわかるでしょう。人種なんか気にせず、みんなわきあいあいと遊戯王を楽しんでいました。それが、遊戯王発祥の地である日本からやってきた人間である私の目には誇らしいものに写りました。
さらに、人数は少なかったものの女性プレイヤーも何人かいました。女性のカードゲームプレイヤーは日本ではなかなか見ませんよね。年齢層は10代後半が多いみたいです。ちょうど、原作の遊戯たちと同じくらいの年齢ですね。アメリカなどでは、平均年齢が22歳だそうです。

4時半に全試合が終了しました。ジャッジが結果発表。参加者全員にSOIのパックが2パックずつ配られました。上位者には8パックで、優勝者には1ボックス送られました。
今回の優勝者はSam Harrisonさんで、第2位はReza Azimzadehさんです。第2位の人が前のオーストラリア代表選手で、オーストラリア内でも1、2を争う実力者の人です。別の記事で、二人のデッキレシピを紹介しようと思います。

私が、この大会で一番注目したのはUpper Deck社直々の公認ジャッジです。今回は、実名と写真を載せても良いと許可を下さったので紹介したいと思います。今日のジャッジの方はこちら。

写真の左手の方がAndrew Lieさんで、右手の方がMarc Losperさんです。Andrewさんは日本語が少ししゃべれます。というわけで、日本語で少ししゃべりました。Marcさんは地元の人にも慕われている方で、良いHead Judgeだといわれています。二人とも、良いジャッジをする人と評判でした。

ジャッジの仕事は、対戦結果のコンピューター管理と、ラウンドのアナウンス、そしてルールでもめたときに裁定を出すようです。コンピューター管理はお手伝いをしてくれるボランティアの方もいて一緒にやっていました。ルールでもめたときの判断も的確で、さすが会社が派遣するジャッジだと思いました。コナミも少しは見習いなさいと。

Andrewさんと、日本の現状について少し話しました。日本には公式ジャッジがいなくて、困っているということ。それに、昨年の世界大会では日本はルールの違いから敗北を喫しており、もっと世界規模でルール統一を行うべきだということ。そのことを話すと、「最近では、Upper Deck側でも日本のルールに合わせるように努力をしています」と前向きな返答をくれました。今年の秋葉原での世界大会は、それが実行されることを切に願います。

この現状を見て、日本はカード面では先端を走ってますが、競技面では遅れまくりの穴だらけだということに気づきます。日本人は遊戯王を子供の遊びとしか思っていない節があるのではないでしょうか。確かにそういうのも一理ありますが、それが日本が世界戦で勝てないひとつの理由になっているのかもしれません。しかし、世界的には展開から3年しかたっていないにもかかわらず、すでにひとつの「競技」になっているのがわかります。ですから、コナミにはきっちりした大会サポートをしてもらいたいです。
特に、声を大にしてあげたいのが公認ジャッジの派遣です。ルールを熟知したしっかりしたジャッジを公認大会では必ず派遣して、大会の運営に当たってほしいと思います。このあたりの要望はエキストラデュエルを導入させた良い実績のある遊戯王フロンティアや、同じく強豪ぞろいの関東勢中心の遊戯王ニュースなどで、どんどん広めていってほしいです。(キロスさんやテレポさん、がんばってくださいね)

今回のレポートは、日本人の人に世界を知ってもらおうと思って書いています。みんな、今の時期はいかにして選考会に勝ち残るかということを考えているでしょうが、世界がどういうところなのか、ピンと来ていないと思います。もっと世界に目を向けてほしい。インターネットなんてすばらしいものがあるのですから、外国の記事を積極的に読む、海外のフォーラムで発言する、ブログを英語で書いてみるなどすれば、世界に目を向けられると思います。
また、版権の都合か何かでしょうが日本のヴァリュアブルブックやリミテッドエディションなどの集英社の雑誌の付録カードは英語では出していないそうです。つまり、日本のガジェット中心の環境に慣れすぎていると、世界戦でひどい目にあうのは目に見えています。このあたりもアンフェアだと思いますので、コナミとUpper Deck社がうまいこと提携して限定カードでも広く世界で普及するように心がけてほしいと思います。

そして、もうひとつ日本のプレイヤーにお願いしたいのは、もっと遊戯王に誇りを持ってほしいです。私が今まで見てきた人の中では、遊戯王をやっていることをひたかくしにしている人がいっぱいいました。特に実力者になればなるほど、どうも自虐的に卑下している。周りに遊戯王やってるとばれると馬鹿にされるからとかそういった理由でした。しかし、この世界での現状を見てください。これでも、遊戯王は恥だと思いますか?これだけ多くの人が真剣にゲームを楽しんでくれているのですから、もっと誇りを持って、そして何度も言っていますがコミュニカティブになってください。ルース=ベネディクトの「菊と刀」によると、日本の文化は「恥の文化」だそうですが、こちらが恥と思っていることでも結構自信を持てることがいっぱいです。
もし、機会があれば外国に行って遊戯王を体験してみてください。外国へ行くというのは難しいでしょうが、新たな発見がいっぱいです。英語がしゃべれないからといって、心を閉ざす必要はありません。カードがあれば、どんな人とだって友達になれます。その輪をどんどん広げてください。

私は、このゲーム店に来て3日程度ですが、これだけ多くのことがはっきりわかりました。そして、今まで以上に英語でコミュニケーションしたい、いろいろな人と向き合いたいという意欲がわいてきました。学校での勉強の意欲も俄然出てきましたね。英語教師を目指すうえでも同様に、自分の進むべき道がはっきり見えました。ぜんぜん大会にも出られず、実績も今までありませんでしたが、遊戯王プレイヤーをやっていて本当に良かったと思えた良い一日でした。オーストラリアに留学できて本当に良かったです。