2006年05月09日

アッパーデック社大会要綱概説

アッパーデックの公式サイトを覗いてみると、大会要綱をWordで配っていました。興味があったので、読んでいたんですけど、コナミよりしっかりしています。まず要綱がワード形式で配されているから、おのおののプレイヤーがそれを保存しやすくプリントアウトが容易です。これはお店側にも有効で、会社側がいちいち冊子にして配布しなくても、お店側が何部かこの要綱をプリントアウトして用意して店においておくだけで、ネットをやっていないプレイヤーにも大会の要綱を広められるわけです。会社側の予算も浮くから、めちゃくちゃ効率がいい気がします。この間、大会運営にあたってる方からの書き込みがありましたが、それに対する明確な方針の答えになっています。コナミもこうすればいいのに。

読んでいると結構面白いので、今日は大会要綱を元に日本と違う点を解説したいと思います。

大会形式
要綱によると、公認大会には次の4つの形式があります。

Traditional Constructed Deck Format→禁止カードなしの大会形式

Advanced Constructed Deck Fromat→日本と同様の制限方式

Sealed Deck Format→シールド戦方式。プレイヤーは複数のパックを開けて、その中からデッキを作る方式

Booster Draft Format→ブースタードラフト戦方式。プレイヤーはパックを開けて、カードを選んだ後に、そのパックをテーブルメンバーに回してデッキを組み立てる方式。

日本と違って、ジュニアルールがありません。その代わりに、Traditional Constructed Deck Formatがジュニアルールにあたるようです。
また、公式にブースタードラフトが行われています。これによって、新しいエキスパンションが出たときにお店が大会を主催すると儲かるわけですね。日本のお店も開いてみてはいかがでしょうか?

公式カード
要綱によると、発売されたカードは世界各地で同時に公式カードになるそうです。たとえば、北米で新しいエキスパンションが出てカードがリリースされれば、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどなどすべての国で使用可能になるというわけです。ただし、アジア圏を除きます。

アジア圏のカードについては公認大会では使用できません。すなわち、日本語、中国語、韓国語、そしてアジア版英語カードは使用できません。その他、神のカードも使用不可ということが記されています。

アジア圏のカードが使用不可能ということは、アジアから来た外国人プレイヤーが公認大会に出ようと思ってもなかなか難しいのがわかります。アジア版のカードも使えないというのは、こちらの予想を大きく上回っています。「ワールドスタンダード」のキャッチフレーズが聞いてあきれますね。
これは個人的な推測ですが、アジアはコナミが取り仕切っていて、そのほかの地域はアッパーデック社というように、カードを出している大本が違うからこのようなズレが生じるのだと思います。(韓国版カードはどこが出しているのでしょうかね。)
ちなみに、中国語のカードは今のところ出版されていないそうです。要綱の中にThere is no such thing as an authentic Chinese Yu-Gi-Oh! card. They have never been printed, except as fakes.という記述があります。中国語のカードはフェイクの可能性が高いので注意しましょう。

偽カードについて
4月1日施行の大会要綱ですが、きっちり偽カードについて注意を促しています。公認大会では当たり前ですが、プロクシカードおよび偽カードは使用できません。

尚、偽カードの具体例を載せています。これは当ブログで扱っていた偽カードと同じことを言っていますので省略。

公式で使用できるカードのエキスパンションシリアル
要綱に、わざわざ使用可能なエキスパンションのシリアルをすべて載せていてくれています。マクドナルドやトーナメントパックなどのプロモーションカードのシリアルももらしていません。また、今後使用可能になるエキスパンションも載せてあります。ちなみに、アジア外の今後の展開は以下のとおり

Invincible Fortress becomes legal for premier events upon its release.(SD7のカードはリリースされた初日から使用可能)

Enemy of Justice becomes legal for premier events on June 1, 2006.(EOJは2006年6月1日から使用可能)

Power of the Duelist becomes legal for premier events on September 1, 2006.(POTDは2006年9月1日から使用可能)

この記述でわかることは8月に行われる世界戦で使えるカードはEOJまでで、アメリカで発売されているものというわけですね。もし、国外選手権に出ようと希望するのならば、POTD以降のカードを使っていないデッキの構築も入念に行っておく必要があります。また、国外のメタも海外のサイトを巡回して研究しなければなりません。つまり、本気で遊戯王をやろうという人はかなりやることが多くなるわけです。ついでに英語力も必要になってくる。

ループ処理
禁止カードも大会で使えるフォーマットのある国外では、ループに突入した処理を次のように行うように指示しています。

In the event that a game enters a loop, the player controlling the loop must demonstrate it once. That player then chooses a number, and unless the opponent wants to stop the loop at any time to play something in the middle, the loop goes through the chosen number of cycles.
(ゲームの最中にループ現象が起きたときは、ループのコントローラーのプレイヤーはそのループ処理を1回行わなければならない。その後、そのプレイヤーは回数を指定し、対戦相手が途中で何かループをとめるためにカードをプレイしたくなければ、そのループは指定された回数分だけ行われる)


訳をしていて、わけがわからなかったんですが例を出してくれています。それがこちら。

Kevin has “Butterfly Dagger - Elma,” “Gearfried the Iron Knight,” and “Royal Magical Library” in play. He demonstrates the loop once, equipping “Butterfly Dagger - Elma” to “Gearfried the Iron Knight,” causing “Butterfly Dagger - Elma” to be sent to the Graveyard and then to his hand. He also adds a Spell Counter to “Royal Magical Library” because he has played a Spell Card. He states that he wants to perform this loop 600 times and will draw his whole Deck unless his opponent does something. Robert has no effects to stop the loop, so Kevin is able to draw all the cards in his Deck.
(ケビンは「蝶の短剣 エルマ」、「鉄の騎士 ギアフリード」、「王立魔法図書館」をプレイしています。「鉄の騎士ギアフリード」に「蝶の短剣 エルマ」装備し、「蝶の短剣 エルマ」を破壊して墓地に送って手札に加える処理を1度行います。同様に魔法カードが使用されたので、「王立魔法図書館」に魔力カウンターを載せる処理を行います。ケビンは相手が何もしないのならば、彼は600回その処理を行い、デッキのすべてのカードをドローしたいと宣言しました。対戦相手であるロバートにはそのループを止められる効果がありません。よってケビンはデッキのカードすべてをドローすることができます。)


上の例は禁止カードが使われているので、見かけないでしょうけど、今のところループ現象が起きそうなのは「暗黒のマンティコア」×2+「生還の宝札」のコンボですね。国外ではこの現象を上のように処理しているそうです。

次回要綱の発行
この要綱は、2006年4月1日より施行のものです。新しい要綱は2006年10月1日より前に発行されるとのこと。混乱を避けるために古い要綱はそのつど削除するよう書いてあります。

次回要綱の予告もきっちり行っています。尚、最新の要綱はhttp://www.ude.com/policyにて確認できます。題名にもちゃんと2006年10月1日まで有効とあります。その日までに新しい要綱を出すというのをきっちりと予告しているのが好感をもてます。

コナミと違って、アッパーデックはインターネットをうまく活用してトーナメントプレイヤーすべてにこの要綱を普及させようという意気込みが感じられます。コナミもこの会社を見習ってほしいです。
トーナメントの情報交換に熱い遊戯王フロンティアや遊戯王ニュースでも、こういったシステムにしてほしいという要望は出してほしいですね。また、公認大会を行う運営者側もコナミに積極的に意見を出すべきです。

ちなみに、ホビーに詳しい帝国劇場別館さんによると、アッパーデック社はアメリカではマジックの配給もとのWOC社と肩を並べるほどの大会社だそうです。ここまでまじめにやっているのもうなずけます。ちなみにこの会社、こちらでは日本でいうところのガンダムウォーみたいな位置づけのカードゲームである"VS System"というスーパーマンなどのアメコミヒーローを主題にしたカードゲームを発売しています。これもかなりの人気で実績があります。コナミがこの会社に販売を委託していなければ、海外で遊戯王がここまで人気が出ることはなかったでしょう。

そういえば、近々アッパーデックが自社カードゲームを日本で発売するそうです。いっそのこと、日本の遊戯王の販売もアッパーデック社がやってくれないかなあと思ってしまった今日この頃でした。
posted by ブラック・マジシャン at 00:00| シドニー | Comment(2) | TrackBack(0) | カードゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 今日は。いつも海外の貴重な情報有難うございます。前回のコメントにも返信してくださり感謝しています。

 さて、記事を拝見して思ったのはマジックを
大きく意識しているなと感じました。

 海外でもコナミ製のカードが使えないのには
少々納得出来ないのですが、多分お互いの会社
の契約項目に入っているのでしょう。

 ようやく、コナミも公認大会へ改革の重い腰
をあげるようです。6月に発表予定らしいです。
これは熱心な開催店のオーナー様達の要望の
結果です。【残念ですがファンサイト程度では
コナミは関知しないのが現実です。】

 コナミは改革の主旨は公認店のライセンスを
厳しく選別する事で公認店に特権【アメ】を与
える事でそれなりの売上と公認大会の運営【鞭】
を要求してきます。

 遊戯王という世界の構成因子は我々ユーザー
です。しかし、その大輪の花を咲かす下地を
提供するのは店舗なのです。いくら才能のある
人でも能力をいかんなく発揮するには場所が
必要なのです。ユーザーがネットで発言する
のも良いでしょう。情報交換としては効果は
非常に大です。しかし、現実としては店舗と
の良い関係を構築・維持していく事の方が大事
なのです。

 後、個人的に危惧しているのはルールについて
です。去年の世界大会で問題になったのが優先権
やカードのエラッタの解釈の違いによるもめ事
です。そして、コナミの対応のお粗末さでした。
 これで日本代表の本来の力が発揮されず不本意
な成績に終わりました。

 今年はどう対応していくのか心配しています。
Posted by 大会運営者 at 2006年05月09日 10:10
I agree with you. In Australia, users and shops have good relationship as long as I see.
Although we have good on-line tools such as Duel Online and Duel CGI, it is meaningless unless we achieve good score in the real world.
From now on, I think users and shops should cooporate and tell our demands to KONAMI.
Posted by Dark Magician at 2006年05月09日 13:25
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