2006年07月08日

Reza Azimadeh

選考会も終わって、これからは世界戦という状況になってきたので、今日はシドニーいや、オーストラリア内でも1、2を争う実績のReza Azimadehさんにインタビューしてきました。かなりの質問量にもかかわらず、快く会話に載ってくれた上に、実名と写真をブログで掲載しても良いとこれまた快諾してくれたので、今日は彼がどのように遊戯王について考えてプレイしているか、また日本の悪い現状についてどう思うか彼の意見を伺ってみました。今回はインタビューを少し編集しつつ、紹介したいと思います。
この人は、周りのプレイヤーからも親しまれている良い人です。他にもワンピースのカードゲームもやっていますが、毎回優勝する良い実績の持ち主です。彼の強さの秘訣は何なのでしょうか?それは、我々日本人がこれから得ていかないといけないものばかりでした。

DSC00241.JPG
Mr. Reza Azimadeh(19)

青文字は私のコメントです。以下の会話は全部英語で行われていますが、すべて和訳してお届けします。(一部要約してあります)

インタビューを受けてくれてありがとうございます。個人的に、Rezaはカードゲームプレイヤーとしてよいお手本と思います。日本のプレイヤーは君を見習い、そこからいろいろ学ぶべきです。

R:ありがとう。何でも質問してよ。

じゃあ、手始めに主な実績を教えてください。確か、世界大会に出たことあるんだったよね?

R:世界大会には出場したことはないんだ。実績はオーストラリアのNational League3位を3回。いつもNationalでは3位になってばっかり。

でも、トップ4人は世界戦に出れるんじゃなかったっけ?

R:実は、オーストラリアのレギューレションは1位しか世界大会に出られないことになってるんだ

アンフェアだね。他の国同様、4人取れるんだったら、間違いなく3回とも世界戦に出られるはずなのに

R:まったく。後は今期に入って3月にReginal1位、4月は2位、5月は出られなかったかな。

でも、国外でデュエルしたことはあるんだよね?

R:日本人の友達が東京にすんでいて、彼が東京に招待してくれたことがあったんだ。1週間滞在したかな。そのとき、秋葉原で行った大会で優勝したよ。後は国内のSuper Novaっていう大会で優勝したこともあるかな。

基本的に、日本人は英語が苦手な人が多いんだけど、言葉に関して障害を感じた?

R:日本人の友達が全部通訳してくれたから問題なかったよ。ただ、やっぱり言葉の壁はあるね。通訳なかったらしんどいし。もし、国外大会に出場するんだったら、言葉の壁は大きな問題だね。もし、World Championshipに出る人にアドバイスを出すなら、周りの人がやることをよく見て、それで行動したほうがいいかも。後は、ゲームを楽しむことを忘れないということかな。

うん。そのとおりだね。ここから、遊戯王フロンティアっていうサイトの管理人で今年日本6位のキロスさんの質問なんだけど、1週間のうちどれだけ遊戯王に時間を割いてますか?

R:基本的に毎晩3時間デッキとかプレイングに関して考えてるよ。それが平日で5日だろ。で、土曜日はSydney Game Centreにずっといるから6時間くらいとして、平均で21時間くらいかな。

これは友達の質問なんだけど、どうやって強いデッキをリサーチしてるのかな?インターネットとかはどうやって活用している?

R:基本的に、パソコンはあるけどネットにはつなげてないから全然使ってないね。全部家でもくもくとデッキを考えているよ。やるとすれば、大会とかでよいデッキとかアイデアを見つけてインスパイアされたらデッキを組んでいる。特にリサーチというリサーチはしないね。

日本では、強いプレイヤーは大体ネットを見ているんだけど。そのせいか、コピーばっかりする人が出てくるのが問題だけどね。

R:こっちでもそういう人はいるよ。英語ではインターネットで拾ってくるデッキだから、Netdeckとか言ってるね。コピーすることは悪いことじゃないんだ。そのコピーを実際に使ってみることで、デッキのアイデアや、コンセプトがインスパイアできるし、理解が深まる。デッキを回して、いいところと悪いところを見つけられる。仮に、俺のデッキがコピーされたとしても、れはしょうがないこと。デッキを作った作成元の俺でさえ、相手に自分のデッキをコピーするなという権利はないからね。ただし、コピーだけではゲームには勝てないね。自分のペースにあわせて自分なりに考えてデッキを組まないと良いデッキにはならない。

まったく持って同感です。今、日本のオンライン界では選考会を勝ち抜いたガジェットのコピーとかが跳梁跋扈してるしね。これもキロスさんからの質問で、Phase宣言やダメージステップの宣言はきちんとやってる?

R:基本的にここの人はそういうフェーズ宣言に対してはゆるいね。ただし、ジャッジがきっちり行うように指示した場合は必ずやるようにしてるよ。ジャッジは絶対だからね。Nationalとかになると、こういうところが厳しいんだ。

言われてみれば、精密に宣言してる人はあまり見ないね。ここからは、私の友達の質問。どんな風にデッキを組んでいますか?

R:具体的な方法を説明するのはちょっと難しいね。まず、やることはカードのシナジーを考えること。それを組み合わせて行ってデッキを作るね。そして、実戦で延々とまわし続ける。それで問題出てきたら抜くなり、調整するなりの繰り返しだね。

かなり時間がかかる方法を使ってるわけだね。でも、堅実で良いと思うよ。Skills(プレイング)、デッキ構築、運の要素を優先されるべき順に並べてくれるかな?日本人の人はデッキと運に頼り切る嫌いがあるんだよ

R:プレイング>デッキ>運かな。運は確かに、ゲームを決めることはあるけど、不確定すぎて当てにはならない。これは個人的に考えてることだけど、良いプレイングは良いデッキ構築につながる。良いデッキ構築は、幸運をもたらす。(A good skill comes a good construction of deck. A good construction comes a good luck.)。自分がプレイしやすい、シナジーを効率よく得られると思うようにデッキを組むわけだろ。そしたら、おのずとデッキもよくなるし、そうすると引きもよくなる。これは何度も何度もトライしないとわからないことじゃないかな

実はその友達が、言ってたんだけど、彼は巨大ネズミからガジェットをリクルートして展開していくデッキを使ってるんだ。ある日、大会に出てプレイヤーの一人にデッキを見せたら、「巨大ネズミ使ってるのにならずものを入れていないなんておかしい」といわれて馬鹿にされたんだって。どう思う?

R:ガジェットは使ったことないし、その人のデッキは全部を見たことないから一概にはいえないとは思うんだけど、その意見は馬鹿げているね。制限カード1枚が入っていないからと言ってその構築を否定することはできない。デッキ全体のシナジーがいかに機能しているかが問題だと思うんだ。それにその人のスキルや状況が密接にかかわってくるし、勝てるかどうかはそういう問題だね。だから、あんまり気にする必要はないと思うよ。

いいコメントをありがとう。たぶん、彼は安心すると思うね。さっきから、プレイングを重視していると言っているけど、どうやったらプレイングって磨かれるのかな?何が重要なポイントなの?

R:まず、カード1枚1枚をよく勉強すること。そして、そのカードの良い点(Advantage)と悪い点(Disadvantage)をうまく研究しないとだめだね。そして、重要なのはカードを出すタイミング。俺の場合は、行動一つ一つを常に考えているよ。これを行うとこっちにはこういう利益があるけど、向こうがこういう手に出ると状況が悪くなる。さあどうしようと、常に考えてる。一歩先を読むというのかな。少なくとも、頭の中で3回自分に対して自問自答しているね。これは経験も物を言うんだけど。

具体的にはどういうことをやってますか?

R:たとえば、自分先攻で初手に「地砕き」、「砂塵の大竜巻」、「魂を削る死霊」「炸裂装甲(リアクティブ・アーマー)」があるとするよね。この場合、俺がよくやる手段なんだけど、「砂塵の大竜巻」だけを伏せてターンエンドしておく。
後攻の相手は手札事故かなと踏んで、攻撃力の高いモンスターを出してくるよね。そして、その攻撃は通るわけだ。確かに、ダメージは大きいけど、次のターンになったらこっちのめっけもの。
「地砕き」を打って、そのモンスターを除去する。相手は貴重なその攻撃力高めのモンスターを地砕きで除去されたわけだ。仮に相手が魔法・罠ゾーンにカードをセットしていてもこちらのセットした「砂塵の大竜巻」でその伏せは除去できる。そして、「魂を削る死霊」で殴ると、ダメージこそ小さいけれど、相手は手札を失う。それに、最初の地砕きで攻撃力高めのモンスターが死んでるわけだから大損だよね。
死霊の攻撃力は低いから次のターン相手は別の攻撃力の高いモンスターで、死霊を殴ってくる。だけど、「炸裂装甲(リアクティブ・アーマー)」を伏せておくと、その死霊が守れて、相手がまた違うモンスターで攻撃するとそれを破壊できる。結果的に次のターンの手札破壊要員か、壁をのこすことができるわけだ。これで、相手は大損だよね。こっちはライフのいくつかと除去魔法や罠を消費したけど、相手は貴重なモンスター戦力2枚と手札1枚と伏せカードがその効果を発揮することなく失われた。でもこっちには手札破壊要員か壁になりえるモンスターが1体場に控えている。それに次のドローもあるわけだしね。
もちろん、こんな風に理想どおりに行かないこともある。もしかしたら、まったくうまくいかないかもしれない。だから常に一つ一つの行動をありとあらゆる角度から考えないといけないわけだね。相手の性格とか様子をよく見ないとだめだ。

すごくうまいプレイングだと思います。勉強になりました。

R:後はゲームを楽しむことだね。つまらないと、頭が回らないし。楽しまないと、いつまでたってもゲームがうまくならない

ゲームを楽しむって言うのは実は日本では難しい議題なんだ。たとえば、ファンデッキとか使う人いるけど、そういう人にとっては、競技用のデッキを使う人は楽しんでないと思いがちだし、逆に競技のデッキで勝たないと、楽しめないなんていう人もいる。楽しいの概念でよく喧嘩が起こるよ。

R:そう言ったことで喧嘩するのは、ばかげてると思うね。この場合、どっちの意見にも賛成できない。楽しさの概念は人それぞれというのは当たり前なんだよ。と言っても、俺の具体的な概念を出すのは難しいけど、少なくともゲームを楽しみ続ける方法はあるね。それは次の4つ。

1、うろたえるな。(Don't be upset.)
2、負けを恐れるな(Don't warry about losing.)
3、楽しめ(Have fun)
4、なぜ自分がこのカードゲームをやっているのか自分に問いかけろ(Ask yourself why you play this card game.)


いいコメントだね。

R:特に2番は重要だよ。デュエルなんて何回でもできるわけだ。このデュエルで負けて悔しいと思うなら、なぜ自分が負けたのか、プレイングが甘いところがなかったか、また構築が甘くないかとか常に考えないとだめ。負けることで、いろいろなことを学ぶ機会が得られるわけだ。

日本人は負けを恐れすぎる嫌いがあるね。

R:だからDon't be upset.というわけだよ。これはさっきみたいな目論見が完全に外れてもうろたえない。うろたえると、冷静な判断が失われてプレイングが落ちる。それに、自分から楽しもうと思わないと楽しめない。だからHave funなわけだね。

とりあえず、このインタビューを1時から1時半の間に行いました。この後、彼はワンピースTCGの試合を控えていたので、いったんレポートを切り上げました。トーナメントが終わった後に、また彼と話ました。それは次回のお楽しみに。(明日更新予定)この記事の話は30分だけでしたが、すごく濃密なことを話してくれました。これだけでも十分学べると思います。次はもっと長い記事です
posted by ブラック・マジシャン at 17:01| シドニー | Comment(2) | TrackBack(3) | カードゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうも初めまして。明日の朝と申します。自分も豪州で遊戯王をプレイしているものです。この記事を見て多くのことを学ばさせてもらいました。自分もトッププレイヤーの一人として彼の言葉を胸の内に置き彼のような素晴らしいプレイヤーになれるよう日々努力していきたいと思います。
Posted by 明日の朝 at 2006年08月03日 01:01
色々コメントもらいましたが、意識の高さが伝わったようで、良好な反応だらけでうれしかったです。趣味は趣味ですが、意識して真剣になりさえすれば楽しく色々なことが学べるということがわかってもらえればいいですね。
Posted by ブラック・マジシャン at 2006年08月03日 02:02
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